分かってはいるが
こころ というのは
厄介なもの
まっすぐに拡がっていく地平線を思う
かんたんなことが
いちばん難しい
ぽつん といわれた言葉
きつく 真実に
心を打つよ
自分で生きる
ことを 選べれば
迷わないのだろうか ひとは
それなら 子に望むのは
親こそ 迷っているのか
介護の苦労話に
実に いい
合いの手を入れている
あの女性(ひと)も介護の最中(さなか)
と聞く
メタモルフォーゼ
主婦から 勤め人風
どっか やくざ
と 歩き方まで
変えていく
朝の電車の中
どろどろっと
起きぬけの生身から
かちっと 社会の
かお に変えてゆく
カッパのおばさんの
前をすり抜けて通る
若い背広の自転車
短い髪が形よく整えられてて
チッ 小物や!
日記に
したいのか
時を越えた
ウタに
と願うのか
菜の花の向かいの畝に
白いえんどう豆の花
子を送った帰り道は
のびやかに 身体が
自然に とけてゆく
逃げ腰でいると
見抜かれる
振り返る子の視線に
ひるむ 私を
叱咤する
アッキー